家庭洗濯に関するQ&A

家庭洗濯のご質問にお答えします。お客様から実際に頂いたお問い合わせですので、お役に立てて頂ければと思います。
その他、ご質問がある方は「衣類の何でも相談室」をご利用下さい。

Q 洗剤はたくさん入れると綺麗になるの?

A 洗剤はある程度の濃度まで達すると、それ以上は濃度を増しても洗浄力はそれほど上昇しません。洗剤を入れすぎると濯ぎに時間がかかり水の無駄にもなります。
また、洗剤が少なすぎても汚れが除去出来ないばかりか再付着して「くすみ」の原因にもなりますので、洗剤は表示された使用量を守って洗うのが最も効果的です。

Q 色落ちが気になる衣類の洗濯方法は?

A クリーニング屋さんは酢酸を使用します。
ご家庭では酢を代用して頂いて、少し入れて洗えばある程度の色落ちは防げます。

Q 塩素系漂白剤と酸素系漂白剤の違いは?

塩素系漂白剤の主成分は「次亜塩素酸ナトリウム」、酸素系漂白剤の主成分は「過炭酸ナトリウム」です。
塩素系漂白剤は漂白力と殺菌力が強力なのですが、染料まで脱色しますので色柄物には使用しないで下さい。

Q 間違えて塩素系漂白剤で漂白したけど元に戻る?

A 漂白したという事は、その部分の色が無くなっている状態です。
部分的に白くなった衣類を元の色に戻すのは困難です。

Q 毛皮を水洗いして乾燥機に入れたら思いっ切り縮んでしまったけど直りますか?

A 残念ですが直りません。
繊維などによっては熱や水で極端に縮んだりする物があります。
お洗濯物を全てクリーニング屋さんに出す必要はありませんが、ご家庭では困難な物はプロにお任せ下さい。

Q 洗剤と柔軟仕上剤は一緒に入れても良いの?

A 洗剤は主成分が陰イオン(-)、柔軟仕上剤は主成分が陽イオン(+)に分類されるため一緒に使うと打ち消し合って両方とも、本来の効果を発揮しなくなります。
柔軟仕上剤は最後の濯ぎの時に入れるのが効果的です。

Q 家庭用ドライクリーニング洗剤で綺麗になりますか?

A 名前が似ているので間違ておられる方が多いのですが、「ドライクリーニング」と「家庭用ドライクリーニング洗剤」は全く違います。
専門的な内容は長くなるので省きますが、「家庭用ドライクリーニング洗剤」は、「ドライクリーニング」では殆ど使用しない水を使用します。そのため衣類の形状変化や風合変化、色落ちなどのトラブルが起こる可能性があります。
また洗浄中に力を十分にかけれない事から、洗浄力はご期待されておられるほど高くないとお考え下さい。

Q シミが付いたけど、しばらく放っておいても大丈夫?

A シミは付いてからの時間が、取れるか取れないかを左右する最重要ポイントの一つです。
もちろん処理が早ければ早いほど、取れる可能性は高まります。
シミが付いてから2週間以上経ちますと、繊維自体を染めてしまって取れなくなる可能性もあるので要注意です。

Q 他社で取れなかったシミを白星社に持って行ったら取れる?

A シミは下の1~5によって取れる可能性が決まります。

1. 技術力や設備
2. 付いてからの時間
3. 付いてからの温度変化
4. 付着したシミの成分と生地の相性
5. 生地の色の強さや生地自体の強度

この様に単純に技術力だけの問題ではないため、聞いただけでは分かりませんので見せて頂けたらと思います。逆に「どんなシミでも絶対に落とせる」というクリーニング屋さんは有り得ないと私達は思います。

シミ抜きのアドバイス

ここに記載している事は、あくまで応急措置とお考え下さい。汚れは、擦ると繊維の奥へ奥へと入っていきます。
また、細く切れやすいシルクなどの繊維は、擦ると衣類自体にダメージを与える事もありますので、タオルなどで上から押さえて汚れが広がらないようにして、出来るだけ触らずに持って来て下さい。

種類 応急手当 シミのとり方
ソース、醤油

水でしぼったハンカチか懐紙でつまみとっておく。口で吸い取る。

水で絞った布でたたく。

  • 石けん液でとる。
  • 白物は漂白。
果汁
水洗い。中性洗剤でとる。
酢酸か酢でとる。
茶、コーヒー
酒、ビール 水でしぼったハンカチでたたく。
  • ぬるま湯で絞った布でたたく。
  • 中性洗剤でとる。
    古いものは酢酸かアルコールでとる。
カビ ブラシでこする。 アンモニア水か石けん液でとる。
靴墨 そのままにしておく。※ ベンジンかテレビン液でとる。石けん液でとる。
ミルク、バター ミルクは水で絞った布で、又バターは乾いた布でつまみとっておく。 ベンジンでとり、アンモニア水か石けん液で繰返したたき出す。すべて熱は禁物。
ファンデーション ビロードの布で拭く。 ベンジンでとり、とり除けないものは温石けん液でとる。
青インキ 布でつまみとっておき早く手当てをする。 石けん液でとる。蓚酸の温液で処理してからアンモニア液でとるか、白物は漂白剤を使う。
赤インキ 温石けん液でとる。酢酸かアルコールでとる。
墨汁 水でしぼったハンカチでたたく。 ご飯粒に洗剤を混ぜたもので繰返しもみ出す。石けん洗い。
朱肉 そのままにしておく。※ ベンジンでとる。温石けん液でとる。
チューインガム 氷でひやしかためて、出来るだけはがしとっておく。 四塩化炭素かシンナーか除光液でもみ出す。(シンナー、除光液はアセテート、ポリ塩化ビニルには使えない)
水でゆるく絞った布でたたく。 ぬるま湯でたたく。アンモニア液でとる。
古くなったものは温蓚酸液で漂白する。
血液 水で洗う。 水洗いか石けん洗い。
アンモニア液でとれる。
口紅 そのままにしておく。※ ベンジンでとる。温石けん液でもみとる。
アルコールでたたき出す。
泥はね そのまま乾かす。 渇いたものはブラシで軽くこする。
石けん液でとる。
コールタール そのままにしておく。※ シンナーでもみ出す。(アセテート、ポリ塩化ビニルは使用不可)後石けん液でとる。
自動車油 乾いた布でおさえて吸いとる。 ベンジンを含ませた布でたたく。
洗剤液を含ませた布でもみとる。
接着のり そのままにしておく。※ 除光液を含ませた布でもみとる。
(アセテート、ポリ塩化ビニルには使えない)
ペンキ そのままにしておく。※ テレビン油かシンナーでもみ出す。
クレヨン ベンジンでよく洗う。後石けん液でとる。

※シミ抜きはお早めにプロへお任せください。

洋服選びのアドバイス

お洋服を選ぶ時には、自分の気に入った色彩やデザイン、価格も大切ですが、メンテナンスの事も考えて選ばないと後で失敗…なんて事も!取り扱い絵表示から読み取れる情報で、賢い洋服選びのお役に立てて下さい。

取り扱い絵表示が全て「×」の物

メンテナンス出来ない事を前提に販売するなんて、洋服以外では有り得ない大変なリスクだと私達は思います。
メーカー側が「何が起きても責任は持てない」という意思表示として、実際はメンテナンスが出来る物もこの様な表示にする事がありますが、素材や染色の関係で本当にメンテナンスが出来ない物も多数あります。
お買い求めになった場合は「使い捨て」になってしまう可能性が高いので注意が必要です。

海外の取り扱い絵表示だけの物

並行輸入のお品物や、ご自身が海外でお買い求めになった場合のリスクです。
海外規格と国内規格は違うために、通常は輸入元が検査をして国内向けの絵表示を取り付けてから販売されます。
しかし国内の検査が行われていない商品のため、海外とは湿度やドライクリーニングの使用溶剤等の環境が違う日本では、クリーニング屋さんが表示通りに洗濯してもダメになってしまう物があります。
この様な場合、補償が受けられない事もございますので、お買い求めの際には注意が必要です。

国内向け取り扱い絵表示が元の海外向けと違う物

単純な取り付け間違いの場合もありますが、海外規格と国内規格が違うため輸入元がトラブル防止のために絵表示を付け替えている場合もあります。
例えば、元から付いている海外表示は「水洗い○ ドライクリーニング○」なのに、国内表示では「水洗い× ドライクリーニング○」の物がありますが、この様なケースで多いのは色落ちのトラブルです。
日本に比べると海外の染色基準が甘い事から、色落ちに対して日本人と外国人に意識のズレがあります。外国人にとっては気にならないほどの色落ちでも、厳しい国内基準の商品に慣れている日本人にとっては凄く色落ちしている様に見えるため、輸入元は後々のトラブルを避けるために色の変化が起こり易い水洗いを×にしている事があるのです。
しかし元々、色落ちし易い製品な訳ですから、国内向け絵表示に従ってメンテナンスしたとしても色落ちが発生する事は十分に考えられます。特にイタリア製の色の鮮やかな商品や黒などの濃い色の商品は、着用中の汗で色落ちするなんてケースもございますので注意が必要です。
また、色落ちでだけでなく、収縮や風合いの変化が起こり易い製品でも同様の絵表示になっている事があります。

古着や個人売買のケース

メーカーは、取り扱い表示に製造年月日を記載する義務はありませんので、記載されていない物が殆どです。
ですから外見で製造年等を詳しく知る術はなく、古着や個人売買の場合には買った時点で既に通常の使用に耐えられる年数を超えている物もあります。
クリーニングトラブルが起こった場合は、全国クリーニング環境衛生同業組合連合会「クリーニング事故賠償基準」によって賠償されるケースが多く、製造から相応の期間が経過している衣類については、殆ど補償を受けられない場合もございます。
特にポリウレタンコーティング加工された物や人工皮革等、ボンディング加工の製品はトラブルになるケースが多いので注意が必要です。
また最近では反応染料と言って、染料自体に寿命がある物が出回っておりますので古着は色褪せや色泣き等のリスクも高まっています。